EVO Japan・ハメコ氏へメールインタビュー「格ゲー好きなら誰でも関われる大会に」「海外からも既に約700名」
2018年1月26日(金)から28日(日)にかけて東京で開催される日本主催の“EVO”「EVO Japan 2018」。先日、海外格ゲーサイトShoryuken.comが行ったEVO Japan運営委員長“ハメコ。”こと金子紀幸氏(以下、ハメコ氏)へのインタビューについて、当サイトでも日本語版を掲載しましたが、今回追加で格ゲーチェッカーからもハメコ氏へのメールインタビューを行う機会をもらえましたので、その回答を掲載させて頂きます。
EVO Japanが目指すところはShoryukenインタビューでも語られていますので、格ゲーチェッカーでは主に日本勢目線で気になっていた所を質問したつもりです。質問自体は、Shoryukenインタビュー掲載直後に行ったため、古い内容も含まれますことご了承ください。
※写真…提供:4Gamer.net 撮影:田井中純平 / 大須晶
──ご存知の方も多いと思いますが、簡単に自己紹介をお願いします。
ハメコ:
皆さん初めまして。EVO Japan運営委員長を務めるハメコ。こと金子紀幸です。
私はウメハラ選手や板橋ザンギエフ選手と同世代で、19歳の頃からアーケード専門雑誌「月刊アルカディア」にてゲーム攻略ライターとしてのキャリアをスタートしたのち、多数の攻略本や「闘劇魂」の執筆、ほかにも「闘劇」での解説など、主に格闘ゲームにまつわるアレコレに関わってきました。
2011年からは活動の場を4Gamer.netに移し、アーケードスティックのレビューや開発者へのインタビュー、「Capcom Cup」の現地取材といった、格闘ゲームにまつわるカルチャー全般を取り上げる記事を執筆しています。 ここ最近は「鉄拳7」や「ストリートファイターV」のコメンテーターとして、皆さんにお目にかかることも多いですね。
──現在日本で行われている複数種目の格ゲー大会で一番大きなものは、ゲームセンターを予選会場とする伝統的な方式の全国大会「闘神祭」だと思いますが、EVO Japanはどのような大会を目指していますか。
──「EVO Japan会場で俺イチオシの(マイナーな)格ゲーの大会/対戦会を開きたい」という場合はどうすれば良いでしょうか。
──運営側を手伝いたいという声を見かけましたが、運営ボランティア等の募集は予定していますか。
ハメコ:
EVO Japanが目指すのは、“格闘ゲームが好きな人であれば、誰でも何らかの形で関われる大会”というものです。参加人数制限を設けないオープントーナメント形式を始め、(既に締め切ってしまいましたが)ボランティアやサイドイベントの募集も、そうした目標を実現するためのものです。
──先日発表されたEVO Japanの種目は、ほとんどが本命タイトルでしたが、ARMSだけは少し意外でした。こちらの選出理由を教えて頂けますか。
──ハメコさんは自身でもARMSをプレイされていたと思いますが、格ゲーマー向けの見どころなどがあれば教えてください。
ハメコ:
メイン競技タイトルの選出過程において、ほとんどがいわゆる主流タイトルとなることが決まった際に、「もっと新しいことにチャレンジできる余地はないものか?」とも考えました。そこで浮かび上がってきたのが、今年6月に発売となったNintendo Switchの「ARMS」だったのです。
発売から半年近くが経ち、また公式大会がスタートしたこともあって、「ARMS」にもコアなやり込み勢達が続々登場してきています。初期の頃はお互いに様子見する“待ち合い”の展開が多かったように思いますが、ここ最近では接近戦に持ち込んでアグレッシブに崩していくスタイルが主流になってきたため、観戦の面白さも向上してきているように感じます。 とはいえ、まだまだ若いタイトルですから、ほかのタイトルにエントリーするついでに記念参加してみるのも面白いのではないでしょうか。
──EVO Japanまでも新作格ゲーはいくつか控えていますが、それらは種目に含まれていませんでした。今後種目が追加される可能性はありますか。
ハメコ:
発売を控えている新作タイトルについてももちろん検討は行いましたが、EVO Japan 2017のメイン競技種目は既に発表している7タイトルで決定となります。ですがEVO Japanは、そうした最新作に触れる機会でもあると考えているので、サイドトーナメントやメーカーの出展という形ならありえると思います。まだ発表できる段階ではありませんが、ご期待ください。
──予選を池袋、決勝を秋葉原と、別々の会場を利用することが発表されました。やはりSRKインタビューにもあった会場の広さの問題でしょうか。
ハメコ:
仰るとおりです。EVO Japanのコンセプトである“格闘ゲームが好きな人であれば、誰でも何らかの形で関われる大会”を達成するためには、とくに1〜2日目は広い会場である必要があったため、「池袋のサンシャインシティ 文化会館展示ホールB」へ変更することにしました。
──プレスカンファレンスでは高額賞金も用意すると発表されましたが、ちょうど消費者庁による景表法の回答が話題になった時期でした。賞金については現時点でも変わりはありませんか。
──任天堂の2作品については賞金無しと発表されていますが、メーカーの意向等もあったのでしょうか。
ハメコ:
変更はありません。各タイトルにつき総額100万円を予定しています。なお「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」と「ARMS」については、任天堂さんの意向を踏まえ、賞金の提供は控えることになりました。
──GODSGARDEN・TOPANGAという2大団体の初の(?)コラボは、ここ数年の格ゲーシーンを追ってきた人間にはとてもエキサイティングな発表でした。運営以外のコラボも期待して良いですか。
ハメコ:
考えていないわけではないのですが、開催日は両団体ともにトーナメントの運営で手一杯になってしまうでしょうし、現実問題としては難しいかもしれません。
──日本の格ゲーコミュニティのための大会ということは承知の上で、やはりEVOというからには国際色豊かな大会となることにも期待しています。海外勢の反応はどうでしょうか。
ハメコ:
とてもありがたいことに、海外からも既に700名近くのエントリーがあります。はっきり言って、これは想像していた以上の数字ですし、もしかしたらまだまだ増えるかもしれません。
中には「EVO Japanで初めて訪日します」という海外選手もいらっしゃるようです。日本の各コミュニティの皆さんはぜひ彼らと一緒にイベントを楽しんで、そしておもてなしをしてほしいと思っています。
──せっかくのEVO Japanで、私を含め、記念参加しようか迷っているプレイヤーはとても多いと思います。そんな方へのメッセージがあればお願いします。
──ご回答ありがとうございました。最後に格ゲーファンへ伝えたいことなど、何か言い残したことがあれば自由にお使いください。
ハメコ:
ほとんどの格闘ゲーム大会を家にいながら視聴できる──ここ数年、そんな便利な環境が整ってきました。とはいえ、イベントにはその場に居合わせなくては味わえない“雰囲気”というものがあります。私がEVO Japanに関わるようになったきっかけも、もともとは「本国EVOの現地取材で撮影した、配信には決して映ることのないシーンを日本で再現したい」というところから始まりました。
そうした、現場でしか感じ取れないものを、ぜひ1人でも多くの人に感じてもらいたい。トーナメントを目標にし、勝ち抜くために強くなることはもちろん大切なことではありますが、自分が知っているEVOの魅力はそれだけではありません。
例え一つのタイトルで勝てなかったとしても、サイドイベントやブース出展、あるいは野良対戦など、格ゲーチェッカーの読者の皆さんであれば、楽しめるイベントは目白押しです。そして、そこで感じる一体感は、その場に居合わせたすべてのプレイヤーにとって宝物になることでしょう。
皆さんの奮ってのご参加をお待ちしています。
※インタビューはここまで。
現時点で海外からも700名近く、smash.ggによれば全体で1900名以上がエントリーするなど、1つのイベントで完結する国内格ゲー大会としては近年最大規模になることは間違いなさそうです。ボランティアやサイドイベントの申し込みは締め切り済みですが、大会へのエントリーは今年いっぱいまで。まだ時間がありますので、是非参加を検討してみてはいかがでしょうか。
EVO Japan 2018概要
- 日程
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2018年1月26日(金)~1月28日(日)
- 会場
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1・2日目:池袋サンシャインシティ
3日目:秋葉原UDX アキバ・スクエア - 種目
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ストリートファイターV アーケードエディション
GUILTY GEAR Xrd REV 2
鉄拳7
大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U
BLAZBLUE CENTRALFICTION
THE KING OF FIGHTERS XIV
ARMS - 賞金
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総額500万円
※タイトルごと総額100万円(スマブラとARMSを除く) - 主催
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EVO Japan実行委員会
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