アンケート「賞金総額 50万ドル(約 6,000万円)の発表によって、格闘ゲームコミュニティに何が起きるか、どう変化していくべきか」結果まとめ
昨年 2014年12月15日にサイト上で行ったアンケート「賞金総額 50万ドル(約 6,000万円)の発表によって、格闘ゲームコミュニティに何が起きるか、どう変化していくべきか」の回答をまとめたものです。
見出し横のカッコ内数値は該当するコメント数です。できるだけ原文通り掲載していますが、一部省略等行っている場合があります。
Capcom Pro Tour will continue next year with a total prize pool of $500k !!! #CapCup2014
? Capcom Fighters (@CapcomFighters) December 14, 2014
今年2015年開催のカプコンプロツアー賞金総額が 50万ドルと発表されている
■何が起きるか
格ゲー全体にとって「プラス」「変化なし」「マイナス」に分けてご紹介します。
【プラス】良い影響がある(14)
一概に良い面だけでは無いとしても、今回をきっかけに社会により認知されることやプレイヤーの増加、プロプレイヤーの地位向上など、コミュニティがより良い方向へ進むというコメントが多くありました。また、これまで曖昧にされてきた部分が改善されるとの声も。
- 「運営側にも選手にも十分にお金が回る必要があるから、動くお金の額が大きくなるのは単純に一歩前進だと思う」(34:名無しのちえつかさん)
- 「ゲーム如きでっていう考えの人の中から新規参入する人が増えて、格ゲーの面白さや難しさが広く認知されていくかもしれない」(50:名無しのちえつかさん)
- 「これをきっかけに格ゲーに限らずeスポーツがもっとメディアに取り上げられるようになって、世間一般からの認知度が上がるといいな」(51:名無しのちえつかさん)
- 「変化を恐れてる人がいるようだけれど格ゲーの変化は今まで色々あった(中略)この賞金が上がるというのは良い変化だと思うし過去の格ゲーマーが願っても到底実現出来なかった事だと思う」(55:名無しのちえつかさん)
- 「今、言われている問題は賞金が増えなくても起きる・起きてる問題だから賞金以上に今までうやむやだった部分が改善されることが喜ばしい」(59:名無しのちえつかさん)
【変化なし】継続は難しい、今回だけで終わる(10)
「賞金が高すぎる」「この賞金は今年だけではないのか」といった冷静な意見も少なくありませんでした。“賞金額が継続されるか”は今後この話の大きな焦点になりそうです。
- 「毎年50万ドルを使うほどの宣伝効果はないと思うのでこれからどうやってスポンサーなどを拡大していくかが課題」(10:名無しのちえつかさん)
- 「この額は格ゲー界の盛り上がりに対して大きすぎるのでは?」(18:名無しのちえつかさん)
- 「50万ドルの賞金を出して採算が取れるのかが気になります」(20:名無しのちえつかさん)
- 「予想 85% 現状維持」(21:名無しのちえつかさん)
- 「この額だと1、2回で終わりそうで心配」(27:名無しのちえつかさん)
- 「継続的に高額賞金の大会が開かれる保証がないかぎり、大きな変化はないと思う」(44:名無しのちえつかさん)
【マイナス】手段を選ばないプレイヤーの出現(7)
八百長やドーピング、そして大会ルールに違反するマクロやチートなど、避けては通れない問題たちへの懸念、そして同項目で扱うか迷いましたが、高額賞金を巡る身辺トラブルや犯罪に巻き込まれることを心配する意見も。
- 「チート関連が心配」(8:名無しのちえつかさん)
- 「高額賞金になればルール無用の連中も出てくるだろう。ドーピング、チートコントローラーなど対策は必要になりそう」(33:名無しのちえつかさん)
- 「海外遠征で襲われるとかマジで起きそう」(35:名無しのちえつかさん)
【マイナス?】大会選手の露出避け(7)
いわゆる“プレイヤー対策”をされないよう、大会などへの露出を避けるプレイヤーが増えるのではという意見。しかしそれがコミュニティに悪い影響を与えるかという点では意見が分かれていました。
- 「序盤のプレミア大会で出場権を得た人は、それ以後の公式大会等への露出やゲームの普及活動は避けることも考えられる」(2:名無しのちえつかさん)
- 「手の内を隠すために参加を見合わせる・関係ない大会には出ないという選手は必ず出て来ると思う」(42:名無しのちえつかさん)
- 「上級者のネタ隠しは増えるかもしれないがコミュニティの縮小には繋がらない、配信大会話題性がある限りコミュニティは無事」(53:名無しのちえつかさん)
- 「出場資格もポイントを導入してるんだったらそのポイントで有利な条件を付けてもいいんじゃないかと思う。露出のリスクを背負ってるわけだし」(66:名無しのちえつかさん)
【マイナス】大会やゲームの一極化(6)
カプコンプロツアーに属する大会や種目のウル4に格ゲープレイヤーが集まり、他が疎かになるのではという意見。
- 「他ゲーからウル4界隈へのプレイヤーの流入は広がるでしょうね。年収の何倍もなんですからチャンスある人はそちらに向かうでしょうし、そうなって欲しい」(5:名無しのちえつかさん)
- 「カプコンカップの話題作りで格ゲー(ウル4、スト5)は注目を浴びることになるが、その他の大会の権威は無くなるだろう」(7:名無しのちえつかさん)
- 「むしろアーク辺りがこれぐらいの賞金出したら面白い展開になったかも」(26:名無しのちえつかさん)
- 「色々なゲームコミュニティが存在している現在、他のコミュニティを破壊しかねない行為だと思う。そして、その大会への参加資格が絡まない大会への影響も大きいと思われる」(41:名無しのちえつかさん)
【マイナス】“寒い”試合が増える(3)
勝つためのキャラクター選択やプレイスタイルが増えることにより、観戦者も楽しめなくなるという意見。ゲームバランス調整の程度とも兼ね合いになりそうな問題です。
- 「賞金目当ての寒いプレーは見たくない」(36:名無しのちえつかさん)
- 「高額賞金になれば使用キャラが偏ってしまって観てる方は楽しめない可能性がある」(56:名無しのちえつかさん)
■ 何をすべきか
具体的にこうして欲しいというものに関してはこちらでまとめました。
大会ルールの明確化(15)
今までうやむやにされてきた大会ルール、デバイスの問題をこの機会にハッキリして欲しいという意見や、具体的な案を示すコメントも多かったです。
- 「音プレイというのは海外では文化になっていますが、見ている方はゲーム内だけで完結して試合をして欲しいです」(9:名無しのちえつかさん)
- 「試合中のスマホチェックは有りか、試合中の助言は有りか、アケコンの仕様の確定をするか、画面外の情報を絶つかまたこれをプレイヤーが勝手にやっていいのか、ルールに違反した時の罰則」(11:名無しのちえつかさん)
- 「今まで定めが無かったコントローラーの規定を作らなくてはならない。公平性を保つ為に対面に統一するべき」(12:名無しのちえつかさん)
- 「コントローラーに不正がないかのチェックに関しては一番重要な部分だが、きっちりやろうとしたらかなりコストがかかりそう」(19:名無しのちえつかさん)
- 「遅延行為についても整備必要ですね。試合間インターバルの制限時間の決定」(32:名無しのちえつかさん)
- 「かぶせあいになると、キャラ選択が終わらなくなって、後出しじゃんけんになる等、キャラ選択の問題を含めたルールの整備が必要」(36:名無しのちえつかさん)
大会の分散や長期化(6)
突出した規模の大会を行うのではなく、賞金を分けて大会の数を増やしたり、大会自体をもっと長期化して欲しいといったもの。単純にそうなって欲しいというよりは「それが格ゲーの為にもなるから」という意見も複数ありました。
- 「大きな大会を1回やるより、小粒な大会を10回やってくれたほうがいい!」(15:名無しのちえつかさん)
- 「もう少し長期戦がみたいかもカプコンカップは短すぎる」(17:名無しのちえつかさん)
- 「最終的には長期戦にシフトすることになりそう。専業が増えるなら拘束時間が増えても大丈夫だし、大会増やして入場料(視聴料)で稼がないといけないし」(22:名無しのちえつかさん)
- 「私としてはその金額を分散し小規模大会を多数開いていただききたい。その後総額を徐々に増額され、結果50万ドルになったとなる方がまだ納得が出来る。」(42:名無しのちえつかさん)
- 「1人に大金渡すより、ある程度の人数が格ゲで食べていけるような環境は必要だと思う。プロの話が来ても断って働いている人、そのまま離れていく人もいるわけだし」(49:名無しのちえつかさん)
その他の意見
- 観戦者がもっと楽しめる仕組み
- 競技性の高いゲーム開発
- プロプレイヤーを増やして欲しい
- チーム戦が見たい
- スト5から一斉スタートにして欲しい
など
2015年1月11日現在、カプコンプロツアーについては「今年開催」と「賞金総額50万ドル」ということだけで詳細はまだ発表されていません。今後明らかになれば上記の問題が解決することもあるかもしれません。サイトとしてはアンケート結果も参考に、観戦者側&プレイヤー側として“これから”に備えておけることは今のうちに進めておきたい所です。
長くなりましたが以上です。重複した意見についてはほぼ省略した為、載せられなかったコメントも多かったですすみません。初の試みにも関わらず多くの方にご参加ご協力頂き本当にありがとうございました。建設的な意見交換の場があっても良いと考えているので次回もあればまた是非よろしくお願いします。