賞金付き勝敗予想、トークン価格変動。「iXA CUP プロジェクト」とは何なのか、問題はないのか
フィナンシェが、大会支援プロジェクト「iXA CUP プロジェクト」において、第1弾が格闘ゲーム『ブレイブルークロスタッグバトル』大会「KING of GIANT Festival 2nd 決勝大会」に決定したことを発表しました。
「iXA CUP プロジェクト」は、格闘ゲーム選手も複数所属するゲーミングチーム・TEAM iXAと、チアード、フィナンシェ、による三社共同の大会支援プロジェクト。「トークン発行型クラウドファンディング」と「勝敗予想ゲーム」を組み合わせた“iXA ENGINE”を大会へ提供し、出場者も観戦者もより楽しめる仕組みを実現します。
その第1弾となる「KING of GIANT Festival 2nd」は、Team iXA・剛田選手の主催する、アークシステムワークス公認の『ブレイブルークロスタッグバトル』大会。2021年1月から3月にかけて、複数の予選と、決勝大会を開催。「iXA CUP プロジェクト」は2021年3月13日(土)にあーくなま内で行われる決勝大会にて適用される予定です。
iXA CUP プロジェクトについて
以下、リリースより、iXA CUP プロジェクトについて:
プロジェクトの目的
新型コロナウィルスの影響により、これまでオフラインで開催されていた大会がオンラインになり、プレイする選手も応援するファンも盛り上がりきれない状況だと感じています。
その様な状況を踏まえ、出場する選手も応援する観戦者も共に熱くなれる取り組みを実施し、少しでもeSportsに活気を与え、より多くの人が楽しめる環境作りを支援できればと考えています。
プロジェクトの初期段階としては、TEAM iXAが主催するiXA CUPをはじめ、TEAM iXAに所属する選手が主催する様々な大会で取り組みを実施していきます。
将来的には、より規模の大きい大会にしていき、eSports業界に新たなストリームを起こすプロジェクトに成長させていきたいと考えています。
・FiNANCiE内プロジェクトページ: https://financie.jp/users/TEAM_iXA/cards
・実施期間:2020年9月26日(土)18:00〜2021年3月10日(土)
新しいeSportsのカタチ「iXA ENGINE」
『iXA CUP プロジェクト』は「iXA ENGINE」と呼ばれる仕組みを使い、既存のeSports大会をベースに、2つの新たな試みである「トークン発行型クラウドファンディング」による運営資金調達と観戦者向けの「勝敗予想ゲーム」を行う事が大きな特徴です。
プロジェクトの新たな試み(1)
FiNANCiEにて「トークン発行型クラウドファンディング」を実施。具体的には、TEAM iXAトークンを発行・販売し、その売上を大会の運営資金として利用します。これにより、賞金の増額とそれによる出場選手の増加が見込め、大会自体の規模を拡大することができると考えています。
今回のファンディングで集まった支援金は「KING of GIANT Festival 2nd」の大会賞金および、同時開催される「勝敗予想ゲーム」の賞金として利用いたします。
支援して頂いた方のトークン保有メリットについては、後ほどご説明いたします。
プロジェクトの新たな試み(2)
「トークン発行型クラウドファンディング」で集まった支援金の一部を使い、応援する観戦者がもっと盛り上がれる「勝敗予想ゲーム」です。
「勝敗予想ゲーム」は、株式会社チアードから提供されるシステムを利用し、大会で行われる対戦でどちらが勝利するかを予想するものとなります。予想の結果に応じて獲得できるポイント数を競い、獲得ポイント数上位の方やキリ番の方に賞金や賞品が提供されます。
このゲームには、誰でも無料で参加することが可能ですが、システムの一部にLINEのトークを利用しておりますので、LINEアカウントの所持が必須となります。
TEAM iXA LINEアカウントを友だちに追加するだけで参加できますので、下記URLから追加して続報をお待ち下さい!
TEAM iXA LINEアカウント
https://lin.ee/lx2EHyb※『iXA CUP プロジェクト』及び『勝敗予想』のルールや参加方法などの詳しい内容は下記のページをご確認ください。
▼『iXA CUP プロジェクト』ページ:
https://note.com/financie/n/n39451594a078
▼『勝敗予想ゲーム』詳細ページ:
https://note.com/financie/n/nea387f043768トークン発行型クラウドファンディングについて
トークン販売において、トークンのみ販売のコースとスポンサーカード(デジタル)付きのコースや各種特典付きのコースを用意しております。
その①TEAM iXAトークンについて
トークン販売で発行される、プロジェクト支援者の証です。ポイントのように数量があるものです。(例:1000 トークン)
トークンは全てのコースで購入することができます。このトークンを保有して頂いている支援者の方には、下記のようなメリットがあります。
【トークン保有のメリット】
・限定コミュニティへの参加権
・プロジェクト企画への投票権利
例)次回大会のゲームタイトルや新規大会のロゴ、大会ルールなどに関する投票
・トークン保有者限定の特典に応募する権利
例)大会限定のグッズや、イベントへの招待など
・プロジェクトの成長に伴った将来的なベネフィット
・トークンそのものの価値向上『iXA CUP プロジェクト』の今後の成長とそれに伴うトークンの価値向上を一緒に目指しましょう!
その② プロジェクト支援特典について
トークン販売では、ご支援いただいた方に向けた各種特典をご用意しております。
これらの特典は、その全てが限定デザインとなっており、他では手に入らない特別な品となっております。支援特典の一部をご紹介
※スポンサーカードはFiNANCiEアプリ上でコレクションでき、カードのナンバリング・保有者名が記載されたメモリアルなカード商品です。これらはブロックチェーンで管理され、ユーザー同士でトレードや売買が可能です。
ご支援いただける方へのメッセージ
本プロジェクトでは、トークン・勝敗予想という要素により、幅広い層の観戦者を集める試みを行っていきます。今回ご支援いただいた方々には、eSportsの観戦者の皆様に対してのアピールとアプローチを行うことのできる、良い機会となるのではないかと考えております。
また、賭博罪および景品表示法など、法律面で問題がないことを確認しております。
さらに本プロジェクトは、今回限りの実施ではなく以下のように継続的に実施していきます。
・「TEAM iXAトークン」の追加販売と新たな大会の実施(予定)
・プロジェクトの支援額に応じた賞金の増額
・大会参加選手の募集枠増加
・様々なジャンルやタイトルの大会での実施「戦う人も応援する人も夢中になれる」
『iXA CUP プロジェクト』に成長させていきます!■プロジェクトに関するお問い合わせ:
contact-pj@financie.jp
ここから先は、格ゲーチェッカーによる補足です。分からないことも多かったので、簡単にですが調べてみました。長い場合は、最後にまとめがあります。
登場人物(TEAM iXA・チアード・フィナンシェ)
プロジェクトを共同で立ち上げた三社はそれぞれ、TEAM iXAは、ストリートファイターのストーム久保選手、ブレイブルーの剛田選手ら格闘ゲーム選手も複数在籍するゲーミングチーム。運営はヤルキマントッキーズ。チアードは、イベント支援システム・Cheeredを運営する企業。格闘ゲームでは賞金・プロライセンス関連の話題でも名前が出てくる木曽崇氏が役員を務めています。フィナンシェは、ブロックチェーン技術を利用した新しいクラウドファンディングシステム・FiNANCiEを運営する企業。
※以下、それぞれ、企業名はフィナンシェ、チアード、サービス名はFiNANCiE、Cheeredとしています。
具体的に何が行われるのか
iXA CUP プロジェクトの適用された大会は、簡単に言えば、「クラウドファンディング」(FiNANCiE)と、そのクラウドファンディングを資金源とした「勝敗予想ゲーム」(Cheered)が行われます。
大会が盛り上がり、クラウドファンディングが伸びれば、大会運営側への金銭的な支援や、大会賞金、勝敗予想ゲームの賞金も大きくなります。
Cheered(勝敗予想ゲーム)には問題は無いのか
勝敗予想ゲームの内容は、大会当日に無料で配られるポイントを使い、複数回の勝敗予想に参加。最終的なポイント上位者に(クラウドファンディングを資金源とした)賞金が贈られるというもの。
勝敗予想ゲームで使えるポイントは、配られるだけで、購入する仕組みはありません。もし、クラウドファンディング側にたくさんお金をつぎ込んだとしても、勝敗予想ゲーム全体の(みんなで取り合う)賞金額が増えるだけです。
ですので、イメージとしては、これまでも行われてきた「勝者を予想して、当たったら賞品がもらえる」といったキャンペーンと大きな違いはありません。Cheeredには木曽氏が関わっているので何らかギャンブル的な要素があるかと身構えてしまいますが、そうではなさそうです(後述しますが、ギャンブル的な楽しみ方ができる可能性があるのは、むしろFiNANCiEの方)。
問題があるとすれば、もしクラウドファンディングが大いに盛り上がり、勝敗予想ゲームの賞金額が、数十万円、数百万円と膨大になった場合、対戦ジャンルにとって致命傷となり得る“八百長”が生まれる可能性を増やしてしまうシステムではあると思います(Cheeredに限った話ではないですが)。
また、勝敗予想ゲームにより大会が盛り上がったとして、それは本当に「格闘ゲームの熱」なのか、格闘ゲームジャンルに(実際はそうでなかったとしても)“賭けごと的に楽しむもの”というイメージを持たれてしまうことによるデメリットもあるのではないか、という疑問は残ります。
FiNANCiE(クラウドファンディング)とは何なのか
少しややこしいのは、こちらのクラウドファンディング。
まず、各コースに指定された金額を支払うことで、設定されたリターンが得られる、という所までは通常のクラウドファンディングと変わりません。上記でもTシャツやパーカーが出てくるので、何となく理解ができると思います。
変わっているのは、“トークン”や“カード”といったデジタルアイテムもリターンとして手に入ること。特にこのトークンに関しては、アプリ上で売買できる仕組みとなっており、その価格も変動します。プロジェクトの需要が伸びれば、トークンの価値が上がり、高い時に売れば、儲けが出る可能性もある仕組みになっています。
逆に、トークンの価格が下がり損になることもありますが、公式の解説記事によれば、トークンはあくまでもクラウドファンディング後の二次流通であり、例えばトークン販売後にトークンの価格が落ち込んだからといって、クラウドファンディングの支援金が減るといった仕組みではないようです。
この儲かる“かもしれない”トークンのおかげで、投資・投機を目的とした格ゲープレイヤー以外からの支援(お金やイベント観戦等)が得られる、というのが、このプロジェクトの大きな意味となりそうです。
ここまででは一見、大会が盛り上がれば、クラウドファンディングが伸びて、トークンの価格も上昇し、運営者も支援者もいいこと尽くめ、のように見えます。ただ、気になるのは、それらには常に「FiNANCiEアプリを通して」という言葉が挟まれるということです。
もし例えば、投資・投機勢が「A」という大会に実際に支援するには、「A」という大会の盛り上がりだけでなく、その前に「FiNANCiE」というサービスの知名度や信頼度が大きく関わってくるはずです。
その「FiNANCiE」は、2021年1月27日時点で、FiNANCiE公式ツイッターのフォロワー数が約1550、Yahoo!リアルタイム検索では一ヶ月で107件のツイート、Googleトレンドにも大きなデータは無く、現時点では、盛り上がっているとは言いづらい様子です。
加えて、「FiNANCiE」アプリに登録されている他のプロジェクトも見てみましたが、トークンの価格が年のグラフで最初よりも上昇しているのは約1割、横ばいが約1割、下降が約8割で、上昇しているのも始まったばかりのプロジェクトが多く、トークンの価格の長期的な上昇を期待するのは、現時点では、かなり厳しそうでした。
そもそも投資・投機勢の取り込みは必要無い、という考え方もできそうですが、それなら通常のクラウドファンディング(+勝敗予想ゲーム&SNS)で良いはずです。
まとめ
まとめると、大会運営を支援する「クラウドファンディング」と、観戦者が楽しめる「勝敗予想ゲーム」の大きく2つから成る大会支援のプロジェクト。そして、大会の参加が無料、勝敗予想ゲームも無料で、「e賭博」などと騒がれているような、勝ち負けに身銭を切って楽しむようなサービスではないようです。
もし、どうしてもギャンブル的な参加をしたいのであれば、クラウドファンディング側の「FiNANCiE」アプリが盛り上がるかをしっかり見定めた上で、リターンとして得られるトークンの価格変動を楽しむのが良いと思います。ただし、上に書いた通り、得をする望みは薄そうです。
そうではなく、純粋に大会を支援したい、という場合は、クラウドファンディングへ、Tシャツやパーカー等の確実なリターンのみに納得して参加すると良いでしょう。
正直、今のままでは色々と乗り切れない内容ですが、この先(特にアプリが)盛り上がることを期待して、注目して行きたいと思います。
以上です。これらはあくまでも格ゲーチェッカーによる2021年1月27日時点の考えになります。また、法律に詳しいわけではありませんので、必要があればご自身でも必ずご確認ください。
関連URL
※その他参考:FiNANCiE公式記事(iXA CUP プロジェクト / 勝敗予想ゲーム詳細 / FiNANCiE サポートページ)、チアード公式サイト、ファミ通インタビュー記事、Tema氏ブログ(トークンの二次流通について運営コメントあり)