スト選手の「選手会」が発足。ガチくん、カワノ、ときど、ネモ、ももち。意見伝える橋渡し役に
2023年2月10日、主に『ストリートファイター』シリーズの選手たちにより「選手会」が立ち上げられたことが、4Gamer公開のインタビュー記事で明らかにされました。
一般的に言われる選手会は、プロスポーツ選手によって組織される団体のことで、賃金や労働条件に関する交渉など、選手の地位向上などを目的とした労働組合としての活動などを行う場合が多いもの(※参考:weblio)。4Gamerによれば、これまでeスポーツには存在していなかったそうです。
設立メンバーはストファイ選手5名
「選手会」のメンバーは、(画像左から)ネモ選手、ガチくん選手、カワノ選手、ときど選手、ももち選手の5名。いずれも、『ストリートファイター』を主戦場とする選手で、JeSUプロライセンス保有、公式リーグ戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP」にも出場しているトッププレイヤーたち。
年齢は20代のカワノ選手から40歳近いベテランまで幅広く、属性的にも、元兼業プロのネモ選手、会社を経営するももち選手など、バランス良く集められている印象です。
選手の総意にすることで意見を伝えやすく
「選手会」を発足したきっかけとして、カプコンプロツアーやストリートファイターリーグ等のイベントの過密なスケジュール設定や、選手にとって不利なスポンサー・チーム契約が組まれる事例もあったことが語られています。
これまでは、こうした問題も選手それぞれで解決しなければなりませんでしたが、「選手会」によって選手の総意にすることで、個人で話をするよりも意見を伝えやすくすることが主な狙いとなるようです。実際、カプコンや、これまでは交流が無いに等しかったというJeSUとも、既にミーティングの場が持てているとのこと。
まずはJeSUプロ内での意見収集から
メンバー全員が最前線で戦う選手たちということもあってか、活動内容は、新しいことを始めるというよりは、ストリートファイターリーグなどの今あるものをより良くして継続させていくことや、問題の解決が主な内容に。
具体的な内容として、まずはJeSUプロライセンス持ちの選手たちへ聞き取りを行い、カプコンへ意見を伝えることから始める予定。将来的な話として、専業プロとしての生計についてや、セカンドキャリア問題、「選手会」の他タイトルへの拡大なども語られています。
尚、「選手会」は、来季のストリートファイターリーグに向けて急ぎで立ち上げられたもので、現時点では、会則は作られておらず、会長も未決定、公式サイト等もまだ。今後はこちらの整備も進むものと思われます。将来的には一般社団法人にすることも検討しているとのこと。
感じたこと
従来のスポーツとは異なり、1企業の1商品であるゲームにおいて選手会を作るというのは、一見大げさなように思えてしまいます。ですが、逆に言えば、選手たちが他のスポーツ同様に職業として成り立つと判断できるような状況に居るのだろうということ、またそう思わせるほどの大会規模や待遇を提供できているカプコンが凄いと言えるかもしれません。
「選手会」の活動が上手く行き、専業プロとして生きていけるチャンスが増えれば、「稼げないから引退」「体を壊して続けられない」なんていう残念なことも減り、競技シーンのさらなる盛り上がりが期待できそうです。
一方で、いちプレイヤーとしては、JeSUプロライセンス制度と同様に、プロの地位ばかりを高めることで、その作品が“プロが競技するためのゲーム”、“興行のためにプレイするゲーム”という印象になってしまわないか、という心配が残ります。
次回作の『ストリートファイター6』は、モダン操作タイプ、大型ストーリーモード、アーケード版など、誰も彼もとにかくプレイヤーにする、という意識を強く感じられる作品になっていますので、その点とても楽しみですし、「選手会」にもプロ代表ではなく、“プレイヤー代表”としての目線を持った活動を期待したいです。
このページをシェア:
Tweetソース:
[インタビュー]ついにeスポーツ業界に「選手会」が成立。ストリートファイターの選手5名が先鋒となって,選手のためのより良い環境を模索していく関連記事:
※こちらの記事はコメント欄をオフに設定しています。詳しくはこちら。